
「警察です。あなたの口座が犯罪に使われています」。
突然こんな電話が来たら、冷静でいられるでしょうか。
いま警戒したいのは、警察官になりすまして不安をあおり、LINEやビデオ通話まで使ってお金を奪う「ニセ警察詐欺」です。
高齢者だけの問題だと思っている人ほど、一度その手口を知ってください。

慌ててお金を動かさないでください。
いま増えている「ニセ警察詐欺」は、LINEやビデオ通話、偽の警察手帳まで使って本物だと信じ込ませてきます。
この記事では、実際にどんな言葉で近づいてくるのか、どこで詐欺を見抜けばいいのかを分かりやすくお話しします。
あなた自身はもちろん、大切な家族を守るためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
ニセ警察詐欺とは?2026年も警戒したい「警察官になりすます詐欺」の手口
電話に出ると、「○○県警の者です」「あなた名義の口座が犯罪に利用されています」「逮捕した犯人があなたのキャッシュカードを持っていました」。
ここまで言われたら、何も悪いことをしていなくてもドキッとするはずです。
ニセ警察詐欺が怖いのは、単に「警察官です」と名乗ってお金を要求するだけではありません。
犯人は、電話、SNS、ビデオ通話、偽の警察手帳、偽の逮捕状などを組み合わせ、「本物の捜査を受けている」と思い込ませようとします。
警察庁が公表した2025年の確定値では、特殊詐欺の認知件数は2万7,832件、被害額は約1,423億1,000万円でした。
その中でもニセ警察詐欺は1万1,014件、被害額は約1,005億円に達しています。
単純計算すると、1件当たりの被害額は約912万円です。
さらに、2025年の特殊詐欺全体に占めるニセ警察詐欺の割合は39.6%。もはや一部の人だけが遭遇する珍しい手口として片付けられません。
警察庁は2026年から、被害が急増している実態を分かりやすくするため、「ニセ警察詐欺」を独立した手口として位置付けています。
ここで知ってほしいのが、「警察を名乗る電話=高齢者を狙った昔ながらの特殊詐欺」とは限らないことです。
実際に警察庁の広報でも、ニセ警察詐欺は現役世代を含む幅広い年代への警戒が呼びかけられています。
「あなたの口座が犯罪に使われた」から始まる典型的な流れ
例えば、仕事中に知らない番号から電話がかかってきたとします。
電話に出ると、
「あなた名義の口座がマネーロンダリング事件に使われています」
と告げられます。
身に覚えがないと答えると、
「こちらもあなたが犯人だと決めつけているわけではありません」
などと言われる。
ここが怖いところです。
最初から怒鳴ったり脅したりするとは限りません。むしろ、こちらを心配しているような話し方で警戒心を下げる場合があります。
その後、「詳しい事情を確認する」と言われ、LINEなどのSNSへ誘導される。
ビデオ通話に切り替わると、画面の向こうに警察官らしい人物が現れ、警察手帳のような物を見せてくる。
さらに自分の名前が書かれた「逮捕状」のような書類まで見せられたら、「本当に事件に巻き込まれたのかもしれない」と感じても不思議ではありません。
警察庁が公開している実際の手口でも、「逮捕した詐欺グループからあなたのキャッシュカードが見つかった」と告げた後、LINEのビデオ通話へ誘導し、偽の警察手帳や実名入りの偽逮捕状を提示するケースが紹介されています。
さらに犯人は、
「捜査中なので家族にも話してはいけない」
「長期間勾留される可能性がある」
などと不安をあおり、被害者を周囲から切り離そうとします。
つまり、犯人が本当に嫌がるのは「家族や本物の警察に相談されること」です。
だからこそ「誰にも言うな」という言葉が出てきます。
ここは、ニセ警察詐欺を見抜く大きなポイントになります。
ビデオ通話で警察手帳を見せられても信用しない
「顔を見せているのだから詐欺ではないだろう」。
この判断も危険です。
電話だけなら疑えても、制服のような服装をした人物が画面に現れ、警察手帳まで提示すると、一気に本物らしく見えてしまいます。
しかし、スマートフォンの小さな画面越しに、その警察手帳や書類が本物かどうかを一般の人が判断するのは困難です。
警察庁も、ニセ警察官とのビデオ通話を実例として公開し、注意を呼びかけています。
「顔を見せたから本物」ではなく、ビデオ通話へ移動させられた時点で疑うくらいでちょうどいいのです。
そして、ここでもう一つ確認してください。
警察官がSNS上で「あなたの資産を調査するので、指定口座へ送金してください」と要求するような話が出たなら、その場で従わないこと。
「潔白を証明するため」
「資金洗浄に関係していないか確認するため」
「安全な口座へ移すため」
理由がどれほどもっともらしくても、焦って送金してはいけません。
電話を切ることで本物の警察に怒られるのでは、と心配する人もいるでしょう。
しかし、いったん電話を切って自分で警察署の公式番号を調べ、かけ直して確認すればいいのです。
本物なら確認できます。
偽物なら、そこで詐欺を止められます。
この「いったん切って、自分で調べた番号へかけ直す」というひと手間が、数百万円、数千万円という被害を防ぐ分岐点になることがあります。
ニセ警察詐欺を見抜く7つのポイント|電話が来たときに絶対に送金しない
では、実際に自分のスマートフォンへ「○○警察です」と電話が来たら、どう動けばいいのでしょうか。
知識として詐欺の手口を知るだけでは、突然電話が来たときに頭が真っ白になることがあります。
そこでGUARD ONでは、難しく判断するより、次のような言葉が出たら「その場では何もしない」と決めておく方法を提案します。
- 「あなた名義の口座が犯罪に使われています」
- 「逮捕状が出ています」
- 「LINEを追加してください」
- 「ビデオ通話にしてください」
- 「捜査なので家族には話さないでください」
- 「資産を確認します」
- 「指定する口座へお金を移してください」
1つでも当てはまったから100%詐欺、と機械的に判断するのではありません。
その場で個人情報を追加で伝えたり、ネットバンキングを操作したり、お金を動かしたりしないことが肝心です。
電話番号が警察署の番号に見えても信用しきらない
「でも、スマホに表示された番号が警察署と同じだったら?」
ここまで確認する人は防犯意識が高いと思います。
ところが、そこにも落とし穴があります。
警察庁は以前から、実在する警察の電話番号を偽装表示させる手口について注意を呼びかけています。
つまり、着信画面だけを見て、
「03から始まっているから大丈夫」
「検索したら警察署と同じ番号だった」
「110と表示されているから本物だ」
と判断するのは危険です。
番号を確認すること自体は無駄ではありませんが、それだけを本人確認の決め手にしてはいけません。
安全性を高めるなら、相手から教えられた番号ではなく、自分で都道府県警察などの公式サイトを開き、そこに掲載されている番号へ自分から電話します。
例えば相手が、
「この電話を切ったら捜査に支障が出ます」
と強く止めてきたとしましょう。
そこで焦るのではなく、
「こちらから警察署へ確認します」
と伝えて電話を終える。
これだけでも犯人との会話をいったん断ち切れます。
「誰にも相談するな」と言われたら、反対に誰かへ相談する
ニセ警察詐欺では、被害者を一人にすることが犯人側の武器になります。
家族に相談されれば、「それ、本当に警察?」と止められるかもしれません。
銀行員に相談されれば、不自然な高額送金に気付かれる可能性があります。
本物の警察へ問い合わせられれば、当然そこで詐欺が発覚します。
だから犯人は「秘密の捜査」「守秘義務」「口外すると逮捕される」など、もっともらしい理由を付けて相談を止めようとします。
ここは逆に考えてください。
「誰にも言うな」と言われたときほど、家族や警察へ相談する。
自宅で一人だったら、電話を切って警察相談専用電話「#9110」へ相談する方法があります。
緊急に警察官の出動を求める状況なら110番です。
すでに振り込んでしまった場合も、「自分がだまされたのが恥ずかしい」と時間を置かないでください。
送金した金融機関にもすぐ連絡し、警察へ相談します。
時間が経つほど、お金が別の口座へ移されたり引き出されたりする可能性が高まります。
家族で決めておきたい「10秒の確認ルール」
GUARD ONとして、家庭で一つ決めてほしいルールがあります。
それは、
「警察・銀行・役所からお金の話が出たら、その場で動かさない」
というシンプルなものです。
家族のグループLINEなどに、
「警察から電話。お金の話が出たので確認中」
と一言送るだけでも構いません。
10秒ほどで送れる短いメッセージですが、自分一人で判断する状態から抜け出せます。
高齢の親だけに対策を教えるのではなく、20代、30代、40代を含めて家族全員で共有しておくほうが現実的です。
2025年のニセ警察詐欺の被害額は約1,005億円。
「自分だけは見抜ける」と思うより、「誰でも焦る瞬間はある」と考えて仕組みで止めるほうが、私は防犯として強いと思います。
まとめ|警察を名乗る電話でお金の話が出たら「いったん切る」
ニセ警察詐欺で怖いのは、犯人が警察官を名乗ることだけではありません。
電話からSNS、ビデオ通話へ移動させ、偽の警察手帳や逮捕状まで見せながら、少しずつ「本物かもしれない」と信じ込ませていく点です。
警察庁によると、2025年のニセ警察詐欺は1万1,014件、被害額は約1,005億円に達しました。
これは決して高齢者だけの話ではありません。
「逮捕」「口座が犯罪に使われた」「誰にも話すな」「お金を移せ」と言われても、その場で解決しようとしないでください。
電話を切り、自分で公式の電話番号を調べて確認する。それだけで犯人との流れを断ち切れます。
この記事を読み終えたら、家族にも「警察を名乗る電話でお金の話が出たら、いったん切る」と伝えてみてください。
たった一言の共有が、大切な人の財産を守るきっかけになります。
そう感じた時点で、一度立ち止まってください。
「あなたの口座が犯罪に使われています」
「逮捕状が出ています」
「誰にも話さず、お金を移してください」
こんな電話が突然かかってきたら、冷静でいるのは簡単ではありません。 相手が警察官を名乗り、LINEやビデオ通話で警察手帳まで見せてきたら、 なおさら「本物かもしれない」と不安になります。
でも、その場でお金を動かす必要はありません。
電話を切って、家族に話す。
自分で調べた警察署の番号へ確認する。
不安が残るなら、誰かに相談する。
その小さな行動が、あなたの大切なお金を守ることにつながります。
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